2011年9月1日木曜日

死に急ぐ悪戯

いくら悪意がないとはいっても度が過ぎた悪戯、悪ふざけはしない方がいい、

驚かそうと思っただけで、決して死なせることを望んだわけではないのだろう、
それにしては、深さ2.5メートルの落とし穴はやり過ぎた、
おふざけの度を超えている、

驚かすだけなら50センチ落とすことで十分だ、50センチの深さでも、足首を捻挫したり場合によっては骨折するかもしれない危険性が十分に見込めるのだが、、
成人した男女が何人もで計画した悪戯、それを周囲の人間誰もが止めなかったことにまず驚かされる、
日本人男女の精神年齢の後退と未成熟化への加速は、一段と進んでいるかのようで怖ろしい、

次男が、所属している会社で計画された社員旅行に参加したくない、と言ってきた、
旅行先は京都、かかる費用は6万円、一泊二日の旅行で経費は全額自己負担となるらしい、

たとえ旅行の代金とはいえ、個人から6万円を徴収する権利は会社にはない、と思ったものの、もし旅行参加を断って、今後の彼の会社での立場が皆と気まずくなるのなら次男が周囲から浮いてしまうのなら、そちらの方が問題かもしれない、

そう考え、「それもサラリーマンとして乗り越える一つの道なのかもしれないね、イヤイヤでもかまわないから、参加してみたら」と、助言した、
「お父さんがそんなことを言うとは思わなかったよ、真っ先に『そんなバカみたいな旅行なんか行かなくてもいい』と言うかと思った」と、次男、

「上司も同僚も全員参加する旅行に、お前だけ不参加、この意味がわかるよね?白眼視されることも覚悟の上ならかまわないけど、つらくないか?親としては子 どもがつらい立場になることだけは避けたいといつも願っている、おれ自身は若い時から自分の主張を通してきたつもりだけど、それだけに受けた波風の強さを 知らないわけではない、、かなりきついけど、それにお前が耐えられるかどうか、そこだな、問題は・・・、」
「大丈夫だよ、気のあった人もいないし、無視されたらそれを無視すればいいもの」
「そうか、でもなあ・・・、、」

これからの会社での立場を危惧し、なんとなく参加の方向で親子の会話がまとまりそうな時、次の言葉で旅行には絶対不参加となった、

「だってお父さん、宴会では必ずイッキが始まるんだよ」

「えっ、イッキ?あの酒をいきなり飲み干すイッキ?」
「うん、ぼくは酒が飲めないからと毎回断ってきたけど、同期の若い人はみんなしてる」
「年配の上司も傍にいるだろう、その上司はイッキを止めないか?」
「ううん、その上司が率先してやらせるんだもの」
「えええっ、その上司って何歳くらいなんだ」
「よくわからないけど50歳は超えていると思うよ」
「そうか、今回の旅行には行かなくてもいいよ、というか行くな!!今時、イッキをさせるバカ上司がいる会社の旅行なんかに参加する必要は一切ない、今後も絶対参加しなくてもよいから」

理性的に話そうとしていたネジの何個かがぶっ飛んだ、

グラスになみなみと注いだ強い酒を一気に干す、その飲み方を歌や手拍子で周囲で煽る、このバカというかクソというか人でなしというか酒飲みの条理にも礼儀にも合わない飲み方で、これまでに何人もの若い命が失われている、
子どもの命を奪われた家族の悲しみ、慟哭ともいうべき母親の叫び
「犠牲はうちの子を最後にしてください、イッキはやめてください」は、犠牲者がでるたびに何度も何度もメディアで取り上げられてきた、

ぼくの高校時代の友人もウイスキーのラッパ飲みから急性アルコール中毒症状に陥り17年という短い生涯を終えた、
サントリー角瓶を手に持ち、ぐるぐる回しながら渦状になったウイスキーを流し込むように胃袋に入れたのだ、

次男は酒が飲めない、煙草もすわないしギャンブルも一切しない、
ぼくの子どもにしては珍しいくらいの堅物なのだ、

その次男にイッキを迫るのなら、たとえ相手が何人いても、たとえ会社の上司であっても、激情的にそれを防ぐかもしれない、
防ぐためなら相手に傷を負わせるかもしれない、
命をかけて止めてやるからと、これだけは誓うからと、次男には言っておいた、、



2 件のコメント:

  1. そうだね、本当に行く必要ないと思う。頼もしい次男だよ!

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  2. ですよね、今頃イッキだなんて、、
    しかも、その部署って病院担当の栄養士チームだから余計あたまにくる、
    命を預かる人であるべきなのにさ・・・

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