2012年7月20日金曜日
病を受け入れる
友人の奥さんが自ら癌におかされていると知ったのは、町が実施した婦人検診の結果だった、
子宮癌だったのか卵巣癌だったのか、詳しいことは聞いていないのだが、その治療中に肝臓への転移が見つかった、
その時のメールのやり取りで、
「(癌の治療中に転移が見つかるという)先の見えないつらい癌治療を続けるのなら、もう止めてゆっくりしたい、痛い苦しいだけの治療だったら止めて死んでもいいと思う」とあり、
「何を言っている、今の医学の進歩は日進月歩どころか、分刻み秒刻みで新薬の開発、治療の改善が進んでいる、先週直らなかった病が今週には治るかもしれない、だから諦めないで治療を続けるべき、だいたい、そんな泣き言をいう女を君の亭主が選んだわけがないじゃないか」と、、
熊本の中学時代の同級生の妻となった彼女は長崎県の出身、まだ60歳にもならない、
夫とふたり、町で初めてのスナックを開店し、その店が久しぶりに帰郷した同級生たちの連絡場所、良い意味での溜まり場になっていた、
4年に一回開かれるクラス会、その一次会の会場はどこであれ二次会は彼女の店、スナックへ全員で出向くのがいつものこと、
10人ほどが座れるカウンターの奥には小さな座敷があり、カラオケ、米焼酎ビールウイスキー、ちょっとしたつまみがあるだけの、どこにでもあるような小さなスナック、
とこにでもあるスナックの、でも、どこにもないそこにしかない理由は、友人の人懐っこい笑顔と、彼女が居るというただ一つの理由から、、
その友人も数年前に旅立ち、今は一人で彼女が店を切り盛りしていたのにさ、、
どぎゃん?(どう具合は?)と、メールを打ったら「はい、まだ生きています(笑)」 と返事が届いた、
このやり取りが、彼女らしさの真骨頂、、
今は、町からバスで20分の所にある市立総合病院に入院中、
「緩和ルームで過ごしています、エアコン付き、テレビ見放題、一泊2000円、快適に過ごしていますよ」
「緩和ルーム」かよっっっ、、、緩和ルームって、治療を断念した結果の先にある場所じゃないの、
なんだかなあ・・、
今年の8月にまたクラス会がある、
幹事のひとりは、彼女の店がなくなるのなら今年で最後のクラス会になるのかも、と、、
中学を卒業して30年、45歳の時から始まったクラス会、
そのクラス会が、今でもこうして継続しているのは、ひとえに亡くなった友人と、彼の妻である彼女のおかげ、だったのかもしれないな、
来月、熊本へ行く、彼女に会えればなあ・・、
って、まだ死んでいないわよ(笑)、彼女のそんな声が聞こえてきたような気がした、、、
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