俳句の会の先輩にあたる方から、妻が旅行で留守なので我が家で将棋でもどうですか、と誘われた、
この先輩は、ぼくの周りには珍しくお金持ちの方、
一億円を超える(たぶん?)マンションに住み、現在は年金暮らしとはいえ悠々自適の生活、
息子さんも娘さんも北海道で開業医を営んでいるのだとか、子どもの心配もなく、朝昼の散歩と夕方からの晩酌を愉しみにしている方、
奥さんは海外旅行が大好きとかで、この前はモロッコへ行き、今回はカンボジアのアンコールワットを訪ねる旅なのだとか、羨ましいほどの恵まれた生活、
株をはじめ動産をすべて集めたら一億を越えたときもあったらしい、
「やっと一億を越えたね」と、奥さんと会話したこともあったとは本人の弁、
それがいつぞやのリーマンショックで7割を失い、大損をしてしまったと嘆いていた、
7割失ってもまだ何千万円も残っている、、、
同じ句会に所属し、いつもお金で困っているぼくの友人は、7割なくしてもまだ何千万もあるもなあ、羨ましすぎてイヤになるよ、と嘆息、、
明日、ぼくと仲の良い友だち数人で鮟鱇鍋を食べに茨城まで出かける、
鮟鱇だと言ったら、アンコールワットと聞き間違えて、あー妻も同じ場所にでかけるよだって、
いえいえ、こちらは鮟鱇で、あなたのところはアンコールワットでしょうと思わず苦笑い、
旅行の桁が違う、、
茨城は、あの原発事故以来、あちこちに放射性物質の濃度が高いいわゆるホットスポットがある所、高濃度に汚染された排水を東電が海に流したことにより、海底から揚がる鮟鱇にも汚染があるかもよと別の友人が、、
そういえば、しばらくは蟹や海老は食わないとぼくの周囲で話題になった、
津波で流された多くの犠牲者たち、海でどうなったのか想像してみろよ、というのがその言い分、
聞いていて気持ち悪くなった・・・、、
昔、島で暮らしていた数年の間に海で入水自殺を遂げた女性が一人いた、
その時にも、その女性の家族は、しばらく海のものを口にしなかった、
今回、海老や蟹を食わないとする心境は当時の家族と同じなのだろうか、
その心向きが理解できるような気もするし、それって結局は悪しき風評となって、立ち直り、復興の足がかりをなんとか掴もうと必死に生きる努力をしている被害地域の足を引っ張ることになってはいないか、
大きなことはできないけれど、援助らしい援助も義援金の他はしてこなかったけれど、現地に足を向けできるだけ買い物をし名物を食べ、許せる範囲でお金を落としてこようと思っている、
あの時以来、お客が減ってと嘆く旅館の女将や商店の女主人のため息をテレビで見るたびにそう思う、、、
さーて、鮟鱇を食って酒を呑んでくるぞっと。。
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