2013年12月30日月曜日

AV女優

「1991年から96年にかけてアダルト・ビデオの世界で息をしていた少女たちへのインタビュー集。
昨日のことのようで遠い昔のあの頃。一人の女の子が傷つき苦しみながらようやく辿り着いた場所。それがAV。・・・・・・。」カバー裏 解説 大月隆寛

この本に、アハーン、ウフーンのアノ場面を期待すると、それは大いに裏切られることだろう、
「AV」という文字がタイトルにあるからといっても、性的興奮をさらに昂進させるような画像も文章も一切でてこない、
ひたすら実直に、真面目に誠実に、淡々と、対象である少女たちの実像に迫るインタビュー集なのだ、
能弁でない著者は、少女たちの「語り」が途絶えると、ただ黙り、近くにおいてある薄い酒を啜りながらひたすらその再開を待つ、、

「困りましたよ。ほんとに何もしゃべんないんだもの。だから、もういいや、と思って、その時書いた原稿は全部その彼女の沈黙の部分はずーっとテンテンテン(笑)」



いま思えば、ぼくは、この本に興味があったというよりも、むしろこの著者に興味が湧き
関心の度合を深めたのからこそ、この本を手に取ったのかもしれない、
同じ著者の前作「風俗の人たち」(ちくま文庫)を読んで、彼の奥底にある優しさに触れたような気がして、この人、こんなスゴイことを書きながら、文章がケバクないなあと、そんな感想をもったからだ、
性風俗の一端から全体像にまで至る膨大な数の取材取材取材、
テレクラ、SMクラブ、本番ストリップ、女装、ロリコン、ダッチワイフ、ニューハーフ,レズバー、ゲイバー、ピンク映画、ピンサロなどなどなど、、
ここに書ききれないほどの量をサバキながら、彼ら彼女らといつも目線は同視線にあり、決して上から見下ろしたりへりくだってイヤ味な文を書いていない彼の文章のスタイルに共感にちかいものを感じたからだ、

フリーの編集者である向井徹から「AV女優インタビューを本にまとめたい」と言われ、永沢氏は驚く、
「私は驚いた。そんなこと、考えたこともなかった。私は呆れてしばし向井の顔を見、そして、そんなことはよした方がいい、と言った。私も一応、元編集者である。そのくらいの勘は働く。今、いかに単行本が売れない時代であるか、その時代にあって、AV女優インタビュー集などという地味な本が売れるわけがない、悪いことは言わないからもっと違う企画を考えた方がいい」と、永沢氏は固辞する、が、結局、本は出版される、

本が発売されてから1週間後、永沢が住むアパートの郵便受けに一枚の葉書が届く、
「文藝春秋 出版局 今村敦」からだった、

「前略
 突然このような葉書を書かせていただきます失礼、お許しください。御著「AV女優」、さっそく購入し、拝読させていただきました。たいへん興味深く一人一人がいとおしく、愛らしく、時々痛々しく・・・・・・とても魅力的に描かれていることに感じ入りました。いますぐ何かお仕事という訳ではないのですが、一度お目にかかれたらと思っております。近々ご連絡させていただきます。
                                                草々」
ビレッジセンター出版局から単行本で発行された「AV女優」が、文藝春秋社から文春文庫として発売されるきっかけとなった、その発端の始まりだった、、
ちなみに、ぼくの手元にあるものも25mmを超える分厚い文庫本なのだが、

ここで多くを語ることはできない、
これから読む人々の興を削ぐことになるだろうし、そもそもアホな頭では伝えることができない、
詳しくは是非とも、本書を手に取り読んでほしい、

P639から綴られた、今村敦を偲ぶ永沢光雄氏の文章が圧巻です、
泣けてきます、、




永沢光雄 36歳。昨年の年収300万。奥さんは新宿二丁目の焼き鳥屋で働いている。(当時)







2013年12月27日金曜日

ネパールカレー

よく食べに行ったネパールカレーのお店が、それまでの場所から引っ越し、少し奥まった場所へ新装開店したので出向いていった、

今まではランチしか食べたことがなかったので、夜のメニューも見てみたかったという気持ちが一つ、
何よりもナンが美味しかったのでそれを食べたかったというのが二つ目の理由、

結果は失敗、、
調理人の若いネパール人男性が、昼間、仲間たちとバレーボールをしている時に左手小指を突き指してしまい、ナンが作れなくなってしまったのだとか、、
ナンが作れないので、カレーにはサフランライスが付いたのだが、米があちら風の長細いぱさぱさ米なので、ふだん食べ慣れないせいなのか、口に馴染まない、

カレーが出てくる前の一品と思い注文した大根の塩もみ(カレー味)、砂肝の辛み炒め(カレー味)、青菜炒め(カレー味)と、すべての料理がカレースパイス使用、
ぼくも連れ合いもカレーは大好きなのだが、出てくる料理がすべて同じカレー味、、
これには、ちょっと・・・なあ、、

食べたかったナンは出てこないし、かなり残念な一夜の食事となってしまった、
「もう夜のメニューはいいや、ランチだけに来よう」
意見の一致をみたところで、帰宅した、

ランチには、カレー、ナン、サラダ、飲み物が付いて700円、かなりお得、
夜はすべて単品の値段なので、別料金、二人で計4100円の支払いとなった、
これも財布には痛い!
人柄もよく、馴れない日本での商いにも一生懸命とりくんでいる姿が好きで、これからも応援しようと思っているのだが、味と値段がこちらに見合ってこその応援だったのだなあ、

昼だけの応援になってしまいそう、、





2013年12月20日金曜日

賀状

今年も残り10日間あまり、、

少し時間があったので、年賀状を書いて投函した、
今年は、友人知人から訃報が何通か届き、去年よりも少ない数の賀状となった、
ぼくもそうなのだが、周りの友人たちも年齢が高くなり、そのご両親のどちらかが亡くなることが多かったのだろう、
90歳を超えた方、それに近い年齢の方々が亡くなった、
すべての生物にとって死ぬということは、この世に生まれて以来の定めのようなもの、仕方がない、
順番なので、90歳を超えて彼岸に旅立つのなら大往生、立派に寿命をまっとうされたことだろう、
立派ということばをこの用例で使っていいのかどうか、バカな頭ではわからないのだが、、

宝くじを買った、
家人とふたり、30枚ずつ計60枚購入した、
一等賞金7億円だという、7億円当たったら、あの子に3000万円あげなくちゃ、ガレージ付きの家を買って車ももっと頑丈なものにしてバイクももう一台買ってみよう!!などと、浮かれている、、

ちなみに、今度の一等の当たる確率は1000万分の1なのだとか、
確率400分の1といわれているパチンコ台さえなかなか当たらない、このご時世、
1000万分の1といえば限りなくゼロなのだが、買わなければ全くのゼロなのでつい買ってしまう、
庶民の夢につけこんだ麻薬のようなあざとい仕組みになっているのだ、

1000万本(宝くじの数詞は本だよね?)買えば必ず一等が当たるのだが、計算してみると、
1000,0000×300円=30億円
30億円買えば7億円当たる 驚愕!30億円払わせて7億円しかもどさない!!

ねっ、ヤクザ屋さんも驚くあざとい商売でしょ?

もし一等が当たったら、これを読んでいる方々にご馳走するので、おでんでも食べながら一杯飲みませう、
昔、今から10年くらい前に、なじみのおでん屋台のおやじに、屋台ごとおでん種、酒こみで全部買い取ったらいくら?と訊いたら「5万円で承知」と言っていた、、


何台買えるんだよ(笑)(笑)










2013年12月14日土曜日

休日



好きな歌 粉雪。。
来週、水木金と青森県六ヶ所村まで、車を飛ばす若い社員の安堵をこめて、、
安堵ってこうやってことばをつかうのか、わからないけど、意味はわかるべ、、


久しぶりの休日、
ネット麻雀をしたら、勝ち進んでランクが二段になってしまい、そのまま3回くらい打った、
こんなつまらない話を書いても、ますますつまらない話になるだけなのだが、、

開高健さんが、読み始めたらおもしろくて一気に読了してしまったと書いていた小説、
「ジャッカルの日」に興味がわき、ネットで購入、
一気というわけではなかったが、おもしろくて、2,3日で読んでしまった、

かつてのフランス大統領、ドゴール氏の暗殺を狙ったプロの殺し屋の話、
何度か映画化されたし、内容だけ借りて、ブルースウィリス、リチャードギア主演でハリウッド映画にもなった、

パスポートを盗み、他人になりすまし、何度も変装を繰り返し、フランスの警察陣の眼をかいくぐって、大統領暗殺を実行しようとする腕利きの殺し屋、
1960年当時の世界情勢やら、国家権力、情報部、警察機構の力関係などなどが綿密に濃密に描かれていた、
またイギリス人だという作者のフレデリック・フォーサイス氏が描くフランスの町並みやら地名がとても詳しく、本当にイギリス人なのかと驚くほどに臨場感を盛り上げてもいた、

表情を一つも変えず、目的遂行のためなら人を殺すことになんのためらいも見せないプロの殺し屋が主人公なので、女性読者にはきつい内容かもしれない、
しかし、小説としてはよくできている、
お勧めです、、

そんな話を仕事の仲間と話していたら、やはり古い本ではあるのだが「パピヨン」の話につながり、
あれもおもしろかったと結論、
映画は見たのだが原作を読んでいなかったので、アマゾンで探したところ中古本で送料込みで1000円ということだった、
値段が高く思え、買うのをやめた、
古本は基本的に1円、送料込みで251円という値段に馴れてしまった、、
図書館で探してみることにする、、
文庫本で上下二巻で売られていたはず、

今日は、友人が営むライブバーで、ライブがある、
二人で参加するとチャージだけで6000円、それではすまないので、一万円の出費が予想される、
たぶん、行かない、、

なじみの居酒屋の忘年会が15日会費5500円、なじみのスナックの忘年会が22日会費5000円、
たぶん、どちらにも行かない、、

仕事上の忘年会が、27日会費5000円、これには参加する、
業務なので仕方がない、というか、楽しみにして参加する、
飲み過ぎないことに十分注意しながら、、ねっ


2013年12月8日日曜日

幾らかのお金がほしい年の暮

今日は句会、10人が参加した

冒頭の句、たぶんあの人が作ったのだろうと、みんなが思っていたので、あえて採らなかったら
その作ったと思われた彼女が選句したので、ええええっ

幾らかのお金がほしい年の暮

じつは、あつみさん(87歳)の句だった
あつみさんの句なら佳い句だなあ、とは、句会のあとでの忘年会場での感想、
幾らかがいいね、たくさんは要らない、とは、みんな勝手だよなあ・・、

あつみさんは83歳の時に胃癌を病み、胃の全摘出、食事制限と毎日ご苦労なされている身、
いつもは、凜とした由緒正しき?!句作りをなさる方、
そのあつみさんの、本音とも思える句なので、会場は盛り上がった、、

ぼくの勝負句は、人妻の足元紅し古炬燵
元句は、赤外線炬燵は足を赤く染め、だった、冬の季語 炬燵

うちでは、今、炬燵はいっさい使っていない、冬はイタリア製のオイルヒーターばかり、
なので、今の炬燵がどんな光にもえているのかいないのか、まるでわからない、

どうせ句作するなら、艶っぽいほうがいいかなあと、人妻の足元を紅く染めてみたのだ、
年末だしね(意味不明・・)、


2013年12月7日土曜日

寺子屋

地元小学生に、将棋を教えているといつかここで書いた、

今日はその例会日、
閉会し子供らが帰宅したそのあと、参加しているボランティア同士の懇親会があった、
囲碁将棋、ホッケー、園芸、書道、フラダンス、バレーボール、武術、などなどの団体があり、土曜日の午前中を利用し、月一回のペースで子どもたちに教えている、

囲碁将棋とはいっても、最近の流行なのか、囲碁を習いたいという子どもは一人もいなくて、22名の在席子どもはみな将棋志望の子、
囲碁の先生も、将棋の指導にまわってもらっている、

将棋のルールがわからないどころか、飛車、角行などの漢字が読めない一年生から、かなり強くなった5年生6年生まで男子19名、女子3名が参加している、

先ほども書いたとおり、指導者全員がボランティアでの参加、
現役を引退された年金生活者や、現役で働いている若い指導者たち、それぞれ立場の違いはあっても、地域の子どもたちに、様々な文化を指導しているというわけだ、

今回、事務局から、全国の小学校128校が、地域振興に著しく貢献したとかで、文部科学省から表彰を受け、そのうちの一校が、ぼくが指導している小学校も選ばれた、
なので、板橋区を選挙区の一つとする現文部科学大臣である下村某大臣より表彰を受けましたと報告があった、

ゆとり教育とかで、教育時間が週5日制になり、その結果、空いた土曜日を子どもたちのためにどのように使おうかというのが、地元「寺子屋」制度の原点、それが認められたというので大方の雰囲気はそのことを素直に喜んでいた、

ところが、ゆとり教育の見直しが叫ばれるようになり、わかりやすくいえば、中国や韓国などの他のアジアの国々に比し学力低下が認められるようになり、もう少し勉強させようかと、年間8日に限って板橋区では土曜日にも授業を行うようにとお達しが出されたらしい、
各区の教育委員会に日数はゆだねられるので、お隣の練馬区は年間11日、

詰め込み教育の見直しから「ゆとり」教育が叫ばれ、それによって学力が低下したからと、今度は8日だけ土曜日も授業をするのだと、なんとなく大人の都合で子どもたちの学習環境が左右されていく、

大人って勝手だよなあ・・、
そんな子どもたちのため息が聞こえてきそうな、今の状況、、
早く大人になって、自分たちの未来は自分たちで決める、そんな状況を創出するんだよと、ぼくは事務局の話を聞きながら、子どもたち一人一人の顔を思い浮かべていた、、