島で知り合い、共に島での生活をおくった友人でもあり同志でもあった女性が亡くなったと連絡をもらった、
彼女は兵庫県からの移住、ぼくは東京からの移住だった、
兵庫県時代は看護婦をしていたとか、知り合った当時ぼくは25歳、彼女は21歳だった、
若くて美貌にも恵まれた女性だった、
ぶっきらぼうで、さっぱりとした性格、女の変な色気をふりまかない女性だった、
心臓を悪くし、最近では呼吸も苦しく、家事もできずほとんど寝たきりの状態だったとか、
享年58歳だった、
そんな彼女を、ただ一度、泣かせたことがある、
事情があり島を出ることになった彼女なのだが、離島する数日前に、ぼくの自宅に彼女を招待しささやかな別れの宴をもった、
その時にかけたレコードが、山崎ハコさんの「ヨコハマ」だった、
♪あの日からこの町に居ようと決めたよ~♪
♪この町が好きだから~、離れはしないよ~♪
歌詞が流れた瞬間、彼女が泣き出した、
号泣に近い泣き方だった、
曲が終わりレコードの針が元にもどっても、流した涙そのままにぬぐおうともしない彼女、
彼女の涙を初めてみた、
本当は島に居たい、残ってまだまだやりたいことがある、そんな彼女の心情が痛いほど伝わってきた、
最後の最後に泣かされちゃったね・・、ぽつりと一言、
そうして彼女は島から出ていった、、
結婚し二人の男子を産み、今は小田原に暮らしていた彼女、
島で知り合い行動を共にしたみんな今はどうしているだろう、同窓会をしたいね、数年前そんな企画を持ちその打ち合わせのために新宿南口の居酒屋で数人が集まり酒を飲んだ、
それが彼女と口をきく最後になってしまった、
30年ぶりに会う彼女は若い時の美貌を失うことなく綺麗に歳を取っていた、
58歳でこの世を去るなんて、早いよ、早すぎるよ、、、
智子さん、心からのお別れを申し上げます
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