2015年11月2日月曜日

なるほどなるほど

なるほど、は一回でいい・・、

先日、図書館には新刊本が少なくて結局買うことになってしまい本が増え続けて困る(精神的に困るわけではないのだが、社会的経済的に下の中に在するかと思われる我が家のスペースがそれでなくても狭いのに本に占領されてしまう、それで困るの意味)、と書いた、

そのことに関連して、出版社側からの言い分が新聞に掲載されていたので、取り上げてみようと思う、
近年の若者の本離れともいうべき現象が、その背景にはありそうなのだが、、

10月15日、16日に東京都内で開かれた全国図書館大会(こういう大会があるのだなあ)の席上、新潮社の佐藤隆信社長から「新刊貸し出し猶予」について発言があったのだとか、
それは、

「増刷できたはずのものができなくなり、出版社が非常に苦労している~売れるべき本が売れない要因の一つは図書館の貸し出しにある」というものだった、

新潮社を旗振り役にし、著者と版元の合意がある新刊について「貸し出しの1年猶予」を求める文書を11月にも図書館側に送る予定、だそうだ、

そもそも、国内の書籍(雑誌を除く)の売り上げは1996年のピークから減る一方で2014年には7割弱に落ち込んでしまった、とりわけ漫画出版などをもたない文芸系出版社が苦境にあるのだとか、、
ところが、出版社不況の一方では、全国の公立図書館は増加傾向にあり(それは知らなかった)、この10年で400館以上増え3246館に、同時に貸し出し冊数も増加するというわけだ、

図書館で貸し出しさえしなければ本がもっと売れたのに、という出版社の言い分が見て取れる、

たしかにそうしたことはあるだろう、それはわかる、、

読み手側の言い分を少し遠慮がちに述べてみるならば、読後、手元に置いておきたい本がある、かと思えば、読んでいる途中でぶん投げたくなる本も正直ある、

ぶん投げたくなる本を金を出して買ったときのやるせなさ、情けなさ、鬱陶しさ、こんな本のために出したお金がもどってこない悔しさ、、

読書が好きな人なら誰でも経験あることだと思うのだが、その点について出版社側はどんな対応もしてきてはいない、
買った商品が気に入らない場合、2週間以内であるなら返品可能という消費者の利益保護制度もあるのだが、その制度はなじまないのか、本には適用されない、

感動して読んだのにもかかわらず、また内容が大いに参考になったのに、つまらなかったといって本代を請求してくるズルイ客も予想されるので(この手の、心根の卑しい人間はいつの時代にでもどんな場面にでも居るものです)、返本可能制度が導入される見込みは当分ないのだが、
そこにこそ図書館の存在価値の一つを、ぼくは見いだしているのですけど・・、

文藝春秋社が出している直木賞や芥川賞をはじめとする各賞、それらの受賞作をその年に読むことはまず絶対ない、ぼくなので、この手の出版社の売り上げには貢献していないのだが、何年かしてその受賞作が残っているのならば、残されているほどの価値があった本ならば手に取ってみようとは思っている、

単なる話題作りのための出版社側の思惑に振り回されたくはない、というのがその理由、
その年話題になったままで消えていったいわゆる「作家」の数のなんと多いことよ、
わかっているだけでも、椎名なんとか子さんどこいった、あとはアレでしょう、コレでしょう、あっソッチにもいたね・・、

そんな根無し草のようなアテにならない「作家」の作品に時間と金を使うのなら、青空文庫に収録されている古典を読んでいたほうが、なんぼかタメになるし、楽しいし、有意義な時を過ごせるというものだ、

なので、これからも文芸系新刊には手を出さないぼくなのだが、出版社が苦境にあるのであれば、倒産してなくなっては困るので、図書館での「新刊本の貸し出し1年猶予制度」には、基本賛成です、

なぜなら、1年の間にどれだけの「新刊本」が「新作家」たちが消えていくのか、見てみたいから、、、

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