2013年7月7日日曜日

句集を買う

現代俳句の世界4 山口誓子集を購入、
朝日文庫、昭和59年4月20日、古本でありながら第1刷がたまたま手に入った、

俳句に関する文献、句集はかなりの数を図書館で借り読んでいるのだが、実費を出して買い求めた句集は初めてのこと、
ただし、しばらく前に、評論としての杉田久女を購入したことがあった、
松本清張原作の短編「菊枕」に、久女のことが暗に描かれていると知って興味が湧いたのがその理由、
彼女の俳句を詠み気持ちが動いたというわけではなかった、

山口誓子の句には惹かれるものがあってこそ手に入れたのだろう、
しかし、どこに惹かれたのか上手くことばで説明できない、

何句も何句も彼の句を詠み、そこに描かれている世界、凝縮され研ぎ澄まされた世界、削って削って最後に残されたもの芯のようなもの、彼が掘り出したその芯に感情の昂ぶりを覚えたのか、
いや、昂ぶりではない、もっと冷えたもの、冴えた細い月の輝きのような熱をもたない光の真理に触れ得たときめきなのかもしれない、

ね、やはりことばで説明できないでしょ?


学問のさびしさに堪え炭をつぐ 「凍港」 大正15年以前

夏草に気缶車の車輪来て止まる 「黄旗」 昭和8年

海に出て木枯帰るところなし 「遠星」 昭和19年11月19日


80年以上前に作られた句が決して古びていないのを目撃している、、、


”俳壇が今後50年続くものとして、その先頭に位置付けられる俳人は誓子を置いて他にな”く、
”今日、名ある俳人は、常に誓子俳句を目標として成長し、或は誓子俳句に影響を受けざらん事に努めて成長した”のだ、


佳い本を手に入れた、、






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