たまに出かけていく街、吉祥寺
複雑な迷路のような裏通り、アーケード街、雑多な街並み、そしてなによりも古本屋の存在、
出かけていく理由はいくつかあるのだが、ぼくにとっての吉祥寺は、ファッションでも食事でも酒でもなく、やはり古本の購入が一番の理由になるのかな、
片道、バスで1時間、往復2時間かかるのだが、手に入れた書籍の重みで喜びも重く深くなる、
立ち寄る店は一軒だけ、名前は覚えていないのだが、駅近く徒歩30秒の距離なので雨が降っていても気にならないし、扱っている古書がぼくの感性に合っているというのか、居て気が落ち着く、
その場所だけはゆっくりと時が流れていくように感じられる、
手に入れた、この本
なんと価格は500円だった! 驚
前から読みたくてとても欲しかった本、写真集というよりイベント会場で販売されていたか無料で配布されていたものなのか、わからないのだが、どちらでもかまわない、
カメラを少々趣味としているので、撮影者の土門拳さんの名前は何度も目にしている、
亡き父親が大切に保持していた「筑豊の子どもたち」、その粗い紙(あえて普及のために紙質を下げて印刷したのだとか)に撮られた大人たちや子どもたちの顔、顔、顔、
シャッターを押さないでじっと待っている、
何時間も時が経ち、陽も落ち、夕暮れがせまるその頃、ふっと仏像が微笑む瞬間がある、
その時を逃さずにシャッターを押す、
彼の、そんな内容の文章をどこかで読んだことがある、
原文とはまったく違った表記なので、そこは立ち止まらないで飛ばして欲しいのだが、仏像が微笑む瞬間がある、という内容は確かに目にした、
そうなのだろうと、写真は光がすべてだと信じているぼくは、素直に納得している、
まあ、とにかくだ、
この写真集以外に、5冊も買って、支払った金額は1410円だった、
函入りの「歴史を紀行する」司馬遼太郎は、処分本として、な、なんと80円だった、
当分、寝るまで読書、布団の中の幸福な時間が約束されたのだ、
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