またあの日がやってきた、
人は二度死ぬ、という
一度目は亡くなった日、二度目は亡くなったことを皆が忘れた日、
そうであるなら、彼は一度しか死ななかった数少ない人間の一人なのだ、
4年前の5月9日、ぼくは葬儀を執り行う会場の最寄り駅に午前11時半に到着していた、
目の前に斎場があるのに逆の方向に「止まらないで進んでください」と、係員らしき人から言われ、納得がいかないまま指示に従って乃木坂通りを進み、外苑西通りも抜け根津美術館もさらに通り過ぎ、(こんなんじゃ葬儀に間に合わないじゃないか?!)と、頭の中で???をぐるぐる廻らせながら前の列に遅れないように、ひたすら歩いていたっけ、、
どこの交差点で折り返しを許されたのか、今となっては思い出せない、
空には二機のヘリコプターが舞っていた、
報道関係者らしき重たそうなビデオカメラをもった人が長いコードを持った若者を従えて、歩道を歩く長い列を撮影しながら通り過ぎていった、
彼の曲を歌っている人がいた、車椅子を押されて参加している人、母親らしき若い女性に手を繋がれて歩く少女、白髪の老婦人も、頭の禿げ上がった老人もいた、
夏のような日射しの中、どの顔にも長い道のりを歩いたためか汗が浮かんでいた、
葬儀会場に着き、彼の遺影の前に立ったのは夕方五時半を過ぎた頃だった、
彼の名前を叫びながら若い男性が泣き崩れていた、
亡くなったのだと実感したときに初めて涙が溢れてきた、
心の中で(アリガトウ、サヨウナラなんだね)とつぶやき、その前を離れた、、
あれからもう4年経ったのだなあ・・、
忌野 清志郎(いまわの きよしろう)
1951年4月2日 - 2009年5月2日 日本のロックミュージシャン。
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